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2012年10月30日

尖閣のアホウドリ

 これまで何度か尖閣諸島に渡り、北小島では雛鳥と思われるアホウドリの写真撮影に成功したが、親鳥を写真撮影することはできなかった。今回の尖閣諸島周辺海域での漁労の最中に、アホウドリが羽を休めて波間に浮かんでいるところ、偶然に出会った。
 アホウドリは我々に警戒心もなく、漁船の近くでのんびりと羽を休め、時折、我々の様子を伺うように視線を向けるなど、逃げる様子もなく波間に揺られながら、バッチリ写真撮影に応じてくれた。
アホウドリはベーリング海やアラスカ湾、アリューシャン列島周辺にわたり、冬季になると繁殖のため日本近海へ南下する。日本では鳥島と尖閣諸島北小島、南小島のみで繁殖が確認されている。 
 形態は全長1メートルほどで翼を広げると2メートルを超す。全身の羽衣は白く、後頭後顎のかけての羽衣は黄色い。嘴は淡赤色で先端は青灰色。雛の綿羽は暗褐色、灰色で羽毛目的の乱獲により生息数は激減している。
 明治時代には北小島で無数のアホウドリが確認され、乱獲のため激減し絶滅が危惧されたが、1971年の南小島での繁殖が確認されている。我々も、これまでの北小島上陸調査でアホウドリの雛を確認しているが親鳥の確認は今回が初めて。
 アホウドリの繁殖は集団繁殖地(コロニー)を形成し、10月から11月に卵を1個産み。雌雄で抱卵し卵を孵すことから、北小島か南小島で繁殖している親鳥が餌を探して飛翔してきた一羽ではないかとみられる。
 目の当たりに見たアホウドリは優雅に羽を休め、写真撮影が終わると同時に2メートル近くある羽を羽ばたかせ飛び立って行った。アホウドリが安心して繁殖できる環境を保護するためにも、現地調査の必要性を強く感じた。
尖閣のアホウドリ



Posted by 仲間均 活動ブログ at 10:21│Comments(1)
この記事へのコメント
かわいいですね。
Posted by スズメ at 2012年11月10日 21:03
 
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